Beautiful crime

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秘められた力【1×6】

「ティナ祭り」作品です~。

第1弾は【ティナで10題】からです!

お題はdevil+angel様からお借り致しました。

6/1なので、本日はライティナの日!

よろしければどうぞ~!

そして明日のフリオニールがまだできない…。

どうしたらいんだ…。


以下からライティナ小説です!


人と人でないものの間に生まれた少女は、脆かった。
美しかった。
この世のなにものにも染まらない無垢な、浮世ばなれした美しさは、
人をどこか不安にさせる。
それが故にひどく納得した。
だからこそ、強大な力をその身に宿しているのだと。
そしてその力を目の当たりにした時、すべてがはじまった。





秘められた力
Power of your magic.
Attractive power.
I fall in love with you many times.





さらさらさらさら。
白い指の間から、砂がこぼれ落ちてゆく。
手のひらから砂が消えればまた掬い、手のひらからこぼしてゆく。
ティナはぼんやりと、それを繰り返していた。
静かで穏やかな夜だった。
ここが自分のいた世界とは異なった全く違う世界で、世界を滅ぼす敵が存在する戦場ということを忘れてしまうほどに。
黒で敷きつめられた空には、希望のような星々があざやかに輝いて、昼間は太陽の色に染まり黄土色していた砂の山々も、今は夜の衣をまとい、灰色のような、白、あるいは銀とも呼べる姿に変わっていた。
夕餉の後、就寝までの穏やかな時。
仲間たちは皆思い思いに過ごしている。
火の側で談笑しているのは、セシルとフリオニール。そのすぐ側で、バッツ、ジタン、ティーダのムードメーカがじゃれ合い、それを残りのメンバーが呆れつつも、楽しげに見つめている。
別々の世界から来た、仲間達。
最初はぎこちなかったものの、今では一緒にいることが当たり前で、まるで家族のように仲が良くなった。
いつもなら、ティナもその輪に入って過ごしているのだが、今日は少し違った。
昼間、クリスタルの探索中に手強い敵と出会い、仲間を守るために人であらざる力を解放して戦った。
人の姿から異形の者へと姿を変えて。
敵を倒せたことはよかったが、自分の身の内に秘められている力に、いつも恐ろしくなる。
自分自身でさえ恐れる、制御不能のこの力。
まだ体から力があふれ出していそうで……。
ティナは思わず自分で自分の体をぎゅっと抱きしめた。
(まだ…体が熱い…)
ティナは幻獣の形をとった後は、いつも体が熱くなる。
それはティナが幻獣の力を呼び起こす時の原動力が<怒り>によるためである。
大切な人々を傷つけられた<怒り>。
体の奥底から、激しく燃えるような何かに突き動かされ、ティナは秘められし力を解放する。
ここに来たばかりの頃より、多少自分でコントロールできるようになったものの、やはり衝動的なものに突き動かされる事が未だに多く、今も体が少し熱を帯びていたのだ。
その為、夜の気温を吸収した砂の冷たさと、手に残らないこの感覚が妙に気持ちよくて、何度も何度も砂遊びを繰り返してしまう。
自分を抱く手をゆっくりと離し、再び砂に手を這わせて。
さらさらさら。
何度目か砂をこぼしきった時、ふと目の前に影が落ちる。
顔を上げれば、月の光を背に浴びた、美しい騎士が難しい顔をして立っていた。
「ライト…?」
呼びかけても、ライトは表情を動かさないまま、じっとティナの顔を見つめる。
澄んだ青空のように鮮やかな色を閉じ込めたライトの瞳は、あまりにも美しく穢れがないため、思わず目を背けてしまいたくなる。
真っ直ぐで迷いがなく、一切の弱音も許さない強すぎる光のようで。
自分を信じ、迷いを持たない光の戦士。影すら持たない光そのもの。
憧れを持つ反面、闇をかかえる自分を見せ付けられるようで、触れてはいけない存在のように感じていた。
それに気づいているのか、ライトはよくティナを観察するように視線を向けていることが多々あり、弱音を持ってしまう自分を後ろめたく感じてしまう。
その為、ティナはライトに対してどうしても萎縮してしまい、言葉交わすのも少なくなってしまっていた。
「隣に、よいだろうか?」
「……え?…え、えぇ。どうぞ」
ライトの言葉に驚き、動揺をそのままの回答になってしまった。失礼なことをしてしまった。
ライトの様子をうかがったが、別段気にした風もなく隣に座ったのでとりあえずほっとした。
ほっとしたのは良いのだが…。
頬のあたりに、ちりちりと焼けるような気配を感じる。
見るまでもなく、隣に座ったライトからの視線だとわかるのだが…。
なぜ、こんな至近距離で見つめられるのかわからず、ティナは困惑した。
自分の世界にいた機械王国の王が、昔「目は口ほどにものを語る」と教えてくれたけれど、自分の感情にも、他人の感情にも不慣れな自分には、それは魔法を覚えるよりも難しいことで。
ティナは手持ち無沙汰に任せて、再び砂をさらさらと落とし始めた。


「何だ、あれ?」
舞台役者のように手を額にあて腰を盛大に曲げつつ、大げさに遠くを見つめるそぶりをしながらバッツが言った。
それに反応して隣にいたジタンもそちらを見やる。
そして、目を軽く見開いた。これはこれは。
「珍しい組み合わせだね」
同じ事を思ったらしく、隣にいたセシルが言う。
「珍しい…よなぁ」
セシルとジタンの言葉に、周りにいた仲間達も同じようにそちらを見やり…同様の反応をしめした。
「ライトとティナが一緒にいるなんて…」
少し心配そうに、オニオンがつぶやく。
常にティナの側にいるオニオンは、ティナがライトを恐れていることを知っている。
側にいなくても、長い間行動を共にしていればそれはおのずとわかることで、ティナがライトを敬遠しているのは、周知の事実だった。
「ライトがようやくそれに気づいたって事なんすかね?」
「気づいて距離を縮めようと話しに言ったわけか?でもライトがそんな事を気にするのかなぁ」
「ライトは責任感が強いから…俺達がティナとの仲を心配しているのに気づいたのかも知れないな」
と、ジタンの言葉に返したのは、ライトを買っているフリオニールの言葉。
「だが…あれは…」
スコールが眉間に皺をよせ、言葉尻を濁す。
自分達からは二人の後姿しか見えないため、何とも言えないが、二人は会話するわけでもなくただ座っているだけのようだ。
そして、ライトが物凄い至近距離からティナを。
「ティナを…睨んでいないか?」
「見つめているようには見えないよね」
セシルが微笑みながら、なんとも女性らしい柔らかい仕草で困ったように首を傾げる。
そう、どう見ても友好的な態度をとるための会話をしているように見えなかった。
それどころか、ライトが物凄く不躾な態度を取っているように見える。
「ティナ…あんな風に見つめられて大丈夫なのか?」
「………」
思わず全員が黙り込む。
「よーし!ちょっくら近くまで行って様子見てこよおっと!」
「おい、こらバッツ!」
ジタンが止めるのもかまわず、新しいおもちゃを見つけた子供のように、バッツが飛び出していく。
「あ!ずるいっす!俺も行くっす!!」
バッツの後を追い、ティーダが駆け出していく。
「ティーダまで…」
やれやれ、とセシルが困ったように首を振りながら、優雅な足取りで歩き出す。
「セシル?」
「ここにいてもどうせ気になって様子を見ているのだから、声が聞こえる所まで行こうよ。二人の関係がこれ以上悪化しても困るしね。何か不穏な空気になったら僕たちが止めればいいだろう?」
もっともな事を言いながら出刃亀根性丸出しのセシルに呆れつつ、残りの面々もそれに続くことにした。
セシルの言うとおり、ここにいても様子が気になって、ずっと見ていることに変わりはないからだ。


「……どうしたの?」
いよいよライトからの視線と沈黙がつらくなって、ティナから切り出した。
このまま悪戯に時が流れても解決するようには思えなかったし、そもそも、ライト自身が無駄な動きをすることが無いタイプの人間であった。
必ず、何か理由があって彼は行動する。
そうでなければ、滅多に話しをしないティナの所へやってくるはずがないのだ。
恐る恐るライトの瞳を見れば、先ほどと同じ、青い瞳にしっかりと自分が映っていた。
彼の視線を感じてからずっと、その穢れない瞳に自分が映っていたのだと思うと、妙な気分になる。思わず目を逸らした時。
「君の秘められた力について、考えてみた」
はっきりと耳に届いた言葉に、ティナは再度ライトを見る。
先ほどと変わらず同じ表情で、彼はティナを見つめていた。
「私の…力……?」
「君の力は、もう少し自分で制御できないのだろうか。」
ライトの言葉に、ティナは目を伏せ、うつむいた。
「ごめんなさい…迷惑をかけてしまって…。」
ライトは、幻獣の力について話に来たのだ。
ティナが自分の力を恐れコントロールできないことについて。隠していたつもりだったが皆に知られてしまった。
先日、クラウドとオニオンに力を奮ってしまったことがあり、きちんと皆に話したのだ。
心配させ困らせ迷惑をかけている。そう思うといたたまれなかった。
特に、ライトに言われるのがとても辛かった。
彼に対しては怯えている反面、憧れている。
夜明けの太陽のように美しく強い光。それがライトだ。
この人のようになりたいと、強く願う。
迷いも恐れも捨て、もっと皆と一緒にいるにふさわしい自分でありたいのに。
「私も…自分でちゃんと向き合って、少しずつだけれど恐れず、コントロールできるように、努力するわ。…今度は、みんなを傷つけたりしないで、守れるように」
「?何を言っている?」
ティナは驚いてライトを見上げた。
ティナが自分の力を制御できずに、オニオンやクラウドに力をぶつけてしまったのはついこの間のことであり、戻ってきてから仲間達に話したばかりであった。
ライトは一度見聞きした事は決して忘れない。
仲間達が冗談で話した内容の子細も、その時話した状況がどうであったかも、つぶさに覚えている人だった。
(私が話したことを…忘れてしまったのかしら…)
ライトが本当に、わからないといった顔をしていた。もっと言えば戸惑っていた。
それにティナは何故だか胸がとても痛くなった。とても鋭利なもので突かれたように。胸がざわざわして苦しい。
目尻に何か浮かび上がってくるのを感じて、咄嗟に下を向いた。
「…話したのを、覚えていないの?私は…」
「違う。それは君の生まれ持った力だろう。それに君はそれに対して努力もきちんとしている。それについては問題ない。私が言っているのは、君に秘められた力だ」
「……え?」
「君に秘められた力は、そんなものじゃない。君自身がおびえるかどうかは別だが、少なくとも我々にとってはとても脅威で、対処のしようがなく、私自身困っている。それで制御できるようになってもらえればと思ったのだ。」
ティナははじかれたように顔を上げ、ライトを見つめた。
幻獣の力以上に、そんな力を自分は持っていたのか。
気づかなかった自分に、ティナは思わず青ざめる。
「そんな…私、そんな力を持っていたなんて…気づかなかったわ…」
「自覚がなかったのか…。それは仕方がないな。自分でも気づかないで力を振りまいていたのか。だがそれでは早急に対処を考えなくては。」
「教えて、私はいったいどんな力を発揮していたの?」
ティナの言葉に、ライトは重々しく告げた。
「私の…、我々全員の…心を惹きつける力だ」
ライトの言葉に、後ろで聞き耳を立てていた残りの選ばれし8人の戦士達に衝撃が走った。
信じられない爆弾発言に、戦士達全員が凍りつく。
ティナは戸惑ったように、ライトを見上げた。
「……それは一体、どういう事?」
「私や、おそらく他の仲間、あるいはカオス陣営の者も含めて、皆が君を気にしている。君の行動に、言葉に、一喜一憂し、心を乱し、夜も眠れなくなる。」
「まぁ……!」
ティナはおぞましい事実に思わず自分の口を覆った。ティナの青白い膚がさらに青く染まる。
自分が知らない所でそんな恐ろしい力を発揮し、かけがえのない仲間達の体調をも脅かす力を振りまいていたなんて…!
自分の恐ろしい力にティナは一瞬意識が遠くなるのを感じた。
「ティナ!」
ふらり、と力が抜けた体をライトの腕が抱きとめる。一瞬そのあたたかな温もりに、身を預けてしまいたくなったが、それはできない。
なぜならティナは自分の預かり知らぬ所で、仲間にも影を落とす恐ろしい力を溢れさせているのだ。
恐る恐るライトの腕に触れ、そっとそれを外させる。
「ありがとう、ライト…。でもそうとわかったら、私に触れては駄目よ…。そんな、恐ろしい力を…今も私が振りまいているのなら…」
ティナは自分の体を自分の手で抱きしめた。
ライトは今ティナに触れた手を見つめながら、さらに衝撃の事実を告げた。
「確かに、君は今もその力を振りまいている。現に今君に触れた私のこの手が、まさに甘くしびれている」
「ライト…!」
ティナの薄紫の瞳に涙が浮かぶ。許されるなら、今ここで泣いてしまいたかった。
自分を助けようとした手ですら傷つけてしまう。
つまりそれでは、治療をすることもできないのだ。

「なぁ、…なんか、おかしいだろ、これ!」
いち早く正気に戻ったジタンが頭を抱えて言った。
「どう考えてもティナの秘められた力の話しじゃないよなぁ」
「というか、ただの愛の告白なんじゃないの?」
頭を捻っているバッツに、セシルが呆れを滲ませた投げやり口調で答える。
「えぇ!!抜け駆けなんてずるいっす!!」
「だったらティーダ、君もあの中に入って告白してきなよ。」
「それは無理っす!後が恐いっす!!」
「……とりあえず、オニオンとクラウドを止めるのを手伝ってくれないか」
スコールの言葉に振り向けば、今にも飛び出して行きそうなオニオンナイトを羽交い絞めにしているスコール。
そして、青白く暗い顔で何事かをブツブツ呟いているクラウドが、バスターソードを手に取ろうとしていた。
「ちょっ!とりあえず落ち着けクラウド!!」
「うわぁ!すげぇ!!フリオニールが鼻血の海に沈んでるっス!!」
「フリオニール死ぬなぁ!!!」
仲間の奇行を各自が対処しているのを尻目に、セシルは視線をライトとティナに送り、やれやれと肩を竦めた。
「これだけ騒いでいれば皆の声が絶対聞こえているはずなのに…。無視するのは本当に聞こえていないのか、愛の告白の空気というものなのかなぁ。」
問うて見た所で、勿論返事などはありはしないのだが。

「君に秘められし力…」
ライトの瞳が再びティナを捉える。
ライトの顔がいつもの無表情ではなく、苦渋に満ちた…とても重い真実を告げるような色を帯びていた。
ライトの表情に、ティナは覚悟した。
迷いのない、光の騎士。ライト・オブ・ウォーリア。
そんな彼をも苦しませる自身の力の真実が、どんなものであっても受け止めようと。
そして彼は、告げる。
「私を恋に落とした…それが君の秘められし力だ」
さらなる衝撃が、後ろで騒いでいた8人の戦士達に走った。
戦士達皆、開いた口がふさがらない。
全員同時に心の中で絶叫した。
(あいつ、本当に告白しやがったー!!!!!!)

「こ…い…?」
ティナはその言葉を、口の中で繰り返した。
そして眉を寄せ、首を傾げる。
何度か聞いたことがあるその言葉。確か「愛」について誰かに質問した時に、聞いたのだと思う。
けれど、それはティナにはどんなものかわからない。
何か異質なものの様に体に馴染まず、舌の上からこぼれていった。
「私は…皆に、そんなものを振りまいているの?」
「皆にきちんと確認をとってはいないが、私が冷静に分析し、皆を観察した所そうであった。」
「恋」がどんなものかはわからない。けれど、どんな症状が起きるのかは先ほどライトに教えてもらったからわかる。
とにかく皆の体を触ることによって痺れさせたり、不眠を訴えるような、体調に支障をきたすものなのだ。
(なんて恐ろしい力なの…!)
衝撃の事実に、ティナは混乱した。息が止まりそうになり、思わず胸をおさえる。
「どうしよう、ライト。私は……私、どうしたら…!」
「気にすることはない、ティナ」
ライトがティナの白い手を触れる。
彼を脅かす力を思って、ティナが手を引こうとしたが、ライトははそれを許さず、しっかりと握り締めた。
ティナの瞳が問うようにライトを見つめた。
そして彼は静かな声で、迷いなく告げた。
「私がすべて受け止めてみせる。」
「ライト…?」
「ティナ。君の秘めたるその力。私がすべて受けて止めてみせる。」
ライトはゆっくりと立ち上がり、ティナもつられたように立ち上がる。
風が吹く。ティナの金の髪とライトの銀の髪が夜風に流され、互いの頬を軽くなでる。
まるで世界から二人を隔離するように。
「君がその力をほかの誰にも触れさせないように。私が受け止められるように。これからはできるだけ私のそばにいてほしい。なるべくクリスタル探しも私と共にしてほしい。そして、何か危険が起きたり困っていることがあるのであれば、ほかの誰でもなく、私を頼ってほしい。」
「でも…それじゃ、あなただけが痛い思いをしてしまうわ。」
「問題ない。」
きっぱりといっそ清々しい潔さで彼は迷いなく告げた。
しかし、ティナは弱く頭を振る。そんな迷惑はかけられない。この存在自体が誰かに痛みを与えるくらいならいっそ、いっそ自分が消えてしまいたい。
そんなティナの思考を呼んでいたようにライトが告げた。
「君が消える痛みに比べれば、そんなもの取るに足りぬものだ。それに…」
珍しく彼が言葉尻を濁し、ティナは驚いて顔を上げる。
そして、思った以上に近くに彼の顔が近くにあり、どくん、と心臓がはねた。
すると、光の騎士は今まで見たことの無い、優しい微笑みをたたえて、ティナを見た。
いつもの無表情とは違い、心なしか瞳にも表情がある気がする。
そう、まるで悪戯を思いついた子供のような…。
「私は君に傷つけられるのが…好きなのだ」
鼻と鼻が触れ合ってしまいそうな至近距離で。
そっと秘密を打ち明けるように告げられた言葉の甘い響きに、ティナは今までに感じた事のないしびれを背筋に感じた。
思わず足から力が抜け、倒れそうになるのを、ライトの腕に抱きとめられる。
「大丈夫か?」
「だ、大丈夫…ありがとう…」
だから離して…と続けようとした言葉は、覆いかぶさるように言うライトによって阻止されてしまった。
「いや、大丈夫ではないだろう。先ほどから何度もふらついている。」
ぐっと抱き寄せられ、ふたたびライトの顔を近くから覗き込むことになり、ティナはなぜだか落ち着かなくなった。とてもむずむずする。
いつもと違う角度から見たライトの瞳は、やはり美しかった。
どんな青空よりも澄んだ青。この世の美しい青だけを集めて作られたように美しいその宝玉。
「ティナ…」
吐息がかかるほどの至近距離で耳に囁きかけられ、ティナの頬は熱くなる。
「皆が心配するわ。そろそろ戻りましょう!」
ティナは焦って言った。なぜだか、必要以上の大きな声で言ってしまった。
ライトの腕を外そうとしたが、その途端さらに強く抱きしめられた。心臓まで締め付けられるような圧力。
それとはまた異なった息苦しさを感じて、ティナの胸が詰まる。
「約束してくれるか…?」
「………」
ティナは戸惑う。いくらライトが痛いのが好きだからといって、彼だけに自分の恐ろしい力を向けるなんて、やはり迷惑をかけすぎている。
幻獣の力と同じように、自分で制御する方法を見つけるべきではないだろうか。
「約束しなければ、ずっとこのままの体勢でいることにするが?」
「!?」
そう言うやいなや、ライトの顔がさらにティナに近づいてきた。
先ほどの非などではない。今度はくちびるとくちびるが触れ合ってしまいそうな、至近距離に、ティナは思わずぎゅっと目を閉じた。
「約束、してくれるか?」
なぜだかこれ以上の接近は耐えられない気がして、ティナは必死で何度もうなずいた。
「あぁ、よかった。」
お腹の中にためていた何かを吐き出すうに、本当に心底ほっとしたようにライトが言うので、ティナは目を開き、あらためてライトを見た。
すると、そこには、ライトが本当に幸福そうに笑っていて。
ティナは自分が助けて貰ったはずなのに、何故か良いことをしたような気になってしまった。



「と、いうわけだから明日から私はティナとクリスタル探索にでる。」
「「「………。」」」
ティナが眠りについた頃。
ライトが残りのメンバーに召集をかけ、明日以降のパーティーの組み分けの説明を始めた。
ライトの衝撃の告白のシーンを見て、灰と化した残りの仲間達には言葉も無い。
ただ、軽蔑を込めたまなざしでライトを見たが、ライトがそんなもの気にするわけもなく。
「意義はないな。では解散」
言いたいことだけ言って、自分も休みに入ろうとする背中にセシルが声をかけた。
「君も君なりに苦労していんだね」
たいそう神々しいと思うほど綺麗な笑顔で爽やかに告げてくる。
「ティナに対して、いつも厳しい視線を向けていたのは…力を観察していたからではなくて、ただ熱い想いを込めて見つめていただけなわけだ。」
残念ながら、ティナには全く伝わっていなかったどころか、逆に怯えさせる結果となってしまっていたようだが。
「視線では伝わらないから、言葉にしただけだ。」
「なるほど、確かにそれは正解だ。」
少なくとも、しばらくはティナを独り占めできる絶好の機会を得たわけだから。
「光の騎士も恋の前では一人の男だね。」
「?いつだって私は男だ」






「ライトも、秘めた力を、持っているでしょう?」
「何の話だ?」
あの話から、数日後。ティナは忠実に約束を守り、日々ライトの側にいることが多くなった。
ティナが側にいる時間が長くなるのに比例して、仲間達から痛い視線を浴びる時間も増えるのだが、当然のごとく光の騎士はそんなものは気にしない。
今日も夕餉の後、ティナがライトの横に座っていたのだが、ティナの発言にライトは首を傾げる。
ティナは薄紫の澄んだ瞳をライトに向け、真顔で言った。
「だって、私もライトのことを…その、目で追ってしまうもの…。それに…ライトがいつも何を考えているのか…すごく気になるの。それから……」
ライトはティナに体ごと向け、彼女を抱き起こし、そっと自分のひざの上に乗せた。
ティナの金の髪にそっと触れる。そのしぐさは、荒野の大地にそっと咲く花に触れるかのように優しかった。
「それから?」
口元に笑みを浮かべ、そっと先を促す。
「ライトに触れられると、触れられた部分が…なんだかしびれているの」
「それでは、私と一緒だな」
「時々、この辺が痛くもなるの…」
ティナは自分の胸に手をあて、困ったようにライトに告げる。
「嫌か?そんな力を持つ私が恐ろしいか?」
ティナはうつむいたまま小さく頭を振る。
「私の側から…離れたいか?」
さらにティナは頭を振った。
「私に傷つけられるのが…好きか?」
ティナは賛同するかどうするか困ったようにしていたが、やがて降参したように小さくうなずいた。
それに唇の端だけで微笑んで、光の騎士は少女の額にそっとくちづけを送ったのだった。




コメディでした。
ライティナ、どうなるかと思いましたが、普通のCP小説になってとりあえず安心しました!



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コメント

に や に やがとまらないぃぃいい!

何処かずれたライトとティナに萌え萌えです!

ああああああ
2010-06-09 Wed 01:51 | URL | [ 編集 ]

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