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Beautiful crime

当ブログは個人が運営するディシディアFFやCCFFを中心とした二次創作サイトになります。それらに嫌悪を覚える方の閲覧はご遠慮願います。荒らし、中傷、無断転載は禁止となりますので、よろしくお願い致します。

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好きってどういうこと?【8×6】ティナ祭り⑩

こんばんは。


時間差し替えていますが、大遅刻で申し訳ありません。


ティナ祭り第1弾、【ティナで10題】

お題はdevil+angel様からお借り致しました。

本日は6/8なので、スコティナの日です。

スコティナ、難しかったです。

スコールさんの性格を考えると、話がどうもあわなくて、結局全部で3本書いたのですが……。

一番それらしいかなぁと感じたものを持って参りました。

違う場で、残りの2本も発表できたらよいなぁと思います。

それでは、スコティナになります。

内容が大丈夫な方はどうぞ~




―――――――――――――――――――――――――――――――




たくさんの人に聞いた。
たくさんの人が答えてくれた。
でもどれひとつわからなかった。







好きってどういうこと?







突然降り出した雨に、スコールとティナは足を止めた。
最始に落ちてきた粒が大粒だった為、すぐに大雨になるかと予想はついたが自分たちが思うよりも早く、本格的な豪雨に変わってしまった。
小降りのうちはティナのマントを傘代わりに雨よけをしていたが、この豪雨であっという間にびしょぬれになり意味をなさなくなった。
スコールは素早く辺りに目を配らせ、どこか雨宿りをできるところがないか探す。
ちょうど切り立った崖の下に、人が二人位ならなんとか雨をよけられそうな窪みがあるのが見えた。
「ティナ、あそこへ」
それだけ言い、ティナが確認する前にその手を引き、窪みまで走った。
窪みは予想に反してそれほど大きくなく、ぴったりと身を寄せ合わないと入りきるのは難しそうだった。
「あんたが入れ」
そう言い、ティナの体を押しやる。そうして、ティナの頭に手をついて上から覆いかぶさった。雨からティナを守るように。
「駄目、スコールが濡れるわ。くっつけば一緒に入れるわ」
ティナはスコールを引っ張る。すでにスコールの髪や背中はずぶ濡れになっているようで、髪から雫が伝い、ぽたぽたと濡れ落ちてきた。
「いや、俺はもう濡れているから…」
「駄目、わたしだけ濡れないなんて、嫌。スコール、お願い、一緒に入って」
泣き出す手前のうるんだような瞳を向け熱心に言われ、スコールが戸惑う。だが、ティナが「それなら私が外に出て一緒に濡れる」と言い出した為、折れて一緒に入ることにした。
窪みに入ってとりあえず様子をうかがう。
降り止まないのであれば濡れてコスモスの館へ戻ろうかと思ったが、おそらく夕立やその類のもので長時間降り続くことはないだろうと判断し、一度雨が止むまでとりあえず雨宿りをすることにした。
「スコール、上着を脱いだ方がいいかもしれないわ。風邪をひいてしまうわ。」
スコールの上着は、大分水分を含み雫が滴っていた。二人はぴったりとくっつくように身を寄せ合っているため、ティナにもその濡れた部分が触れてしまっていた。
すでに濡れすぎて失念していた。
スコールは無言のまま、上着の脱いだ。絞ると想像していた以上の水分が出て、スコールは思わず顔をしかめた。
「貸して」
ティナの白い手が、スコールの上着を取る。黒い布に、ティナの白い手が妙に生え、何とはなしに目がひきよせられる。
ティナはスコールの上着と、先程雨よけに使っていた自分のマントを一纏めにし、脇に抱えなおした。
「あとで館に帰ったら、一緒に洗濯しようと思うけど…いいかな?」
スコールを見上げて、ティナは微笑んで聞いた。スコールは了承した。言葉にせず、うなずくことによって。だが、少し迷ったように瞳をゆらし、ティナをあらためて見て言った。
「頼む」
ティナはふたたび微笑んで、うなずいた。
それをスコールは眩しげに目を細め、見つめた。
ふと、ティナのむき出しの肩が視界に入ってきた。
ティナはマントを外した為、肩を覆う布が無くなり、普段より肌が見える部分が増えてしまっていた。互いに触れているむき出しの腕同士が、互いの冷たい体温をなぐさめるようにあたためる。けれど、普段あるものが無いと、その肩は心許なげに映った。
スコールはティナの背中から腕をまわし、肩を抱き寄せた。
ティナが驚いたように見上げてくる。
「すまん。だが、寒そうだ」
だから、肩を抱いた。
そうスコールは言った。
もし、他の女子に同じことを言ったら、下心が無いのかとか、色々とやかく詮索されそうな言葉だと思ったが、特に気にはしなかった。ティナならば、言葉の意味をそのまま汲み取ってくれるだろうから。
そして、そのスコールの思ったとおり、ティナはやさしくふわりと微笑んだ。
「ありがとう、あたたかいね」
素直な言葉に、スコールの胸に淡い光のようなぬくもりが灯る。
スコールは小さくうなずき、そしていつものように何も言わなかった。
スコールとティナは、しばらくそのまま、言葉を交わさなかった。
けれど、空気はけしてギスギスした居心地の悪いものにならず、むしろ穏やかで安らげる空気が辺りに満ちていた。
出逢った頃から、そうだった。
互いに言葉にするのが苦手なもの同士だった為か、ティナが特別なのか。
理由はわからないが、二人は波長が合った。
言葉が少なくても、なぜか伝わった。
とても、相性が良いのだとスコールは思った。
(少なくとも――――)
自分が知っている、どんな女性よりも。
その位、ティナという女性はスコールに馴染んでいた。
「雨……やまないね。」
ふと、ティナの呟きがぽつんと落ちた。
ティナの視線は目の前の雨ではなく、どこか遠くをみつめるようだった。
「あと半時もしたら止むと思うが……雨は、嫌いか?」
スコールが問うと、ティナは視線を目の前から外し、スコールに向けた。
抱き寄せるようによりそっていたため、いつもよりだいぶ近いところに顔がある。
いつもとは違う瞳の距離に、どきりとした。
「嫌いって…どういうことなのかしら。」
ティナは少し顔にかげりを落として、ささやくように聞いた。
心なしか、普段の声より暗い。
先程まで輝くような光を灯していた瞳も、翳りを帯びていた。
触れられたくないことだったのだろうか。
質問の内容も、スコールにはいまいち理解し難かった。
それが表情に出ていたのか、ティナは苦笑し、そして困ったように小首を傾げて言った。
「ごめんなさい…。私には、よく、わからないの。好きだとか…、嫌いだとか…そういう、人の感情が」
ティナの声は静かだった。けれど、哀しみに満ちていた。そして、その哀しみさえわからないようだった。
スコールは眉を寄せる。
ティナが、特殊な環境に育ったということは、少しだけ聞いていた。だが、それ以上のことを詮索したことはない。
他ならぬティナが話したがらなかった為だ。
他人の感情が分からないと、昔言っていた。けれど。
(自分の感情も、分からないのか…)
スコールは、少し考えて、そして別のことを聞いた。
「ティナは……、雨に対してどう思う?」
スコールに聞かれ、ティナは目を瞬かせた。宝玉のような瞳が、先程は違う光を灯す。
ティナは、スコールの問いに、考えて見た。そして、それをゆっくりと言葉にしてみた。
「雨は……なんだか、安心するの。」
スコールが目を細める。
「続けて」
低くて、耳に快い声が、続きを促す。
ティナは胸に感じた思いを、ゆっくりと言葉をさがしながら口にした。
「部屋に一人でいるとき、雨が降っていると、包まれているみたいに安心する。私がここにいるってわかるの。それが……それがとても良いと思うわ」
「そうか」
スコールはそういって、小さく微笑んだ。
「それは、嫌いではなく……好きだということだ」
「好き……」
ティナは小さく呟いた。
そうなのか。これが、好きだということなのか。
いろんな人にたくさん聞いた言葉だった。けれど、一度として明確な答えを聞いたことは無かった。けれど、こんな風に。違うものを聞いて、返ってきた答え。
わかったようで、けれど胸にすとんと落ちてくる答えではなかった。
スコールはきちんとそれが「好き」であると示してくれたのに。
皆が言っているものとは、違う気がしたのだ。
ティナはスコールに質問してみた。
「スコールは、雨が好きなの?」
「俺は…そうだな、ティナと同じようにではないが、好きだ」
ティナは目をまたたいた。
「違う……好きがあるの?」
「好きにも色々ある。一つじゃない。下手したら、無限にある」
スコールは、小さい子にものを教えるように、やさしい声で言った。
なるほど。そういうものなのか。
今度の答えは、ティナの胸にしっくりときた。
一つだけで無いのであれば、皆が違うことを言い、わからなくなるのもしょうがなかったのかもしれない。
「好きか嫌いか悩んだら…こころに聞けばいい。わからなければ、言葉にしてみればいい」
「でも、さっきのはスコールが教えてくれたから」
「ティナがとても良いと思うと言っていた。それでわかった。それにもしわからなければ、聞けばいい」
スコールは、雨の様子を伺いながら、こともなげに言った。
「いいの?」
「別に構わない」
ティナを見ずに、スコールは言った。けれど言葉はやさしく、あたたかだ。
それにティナは知っていた。スコールが話しながら、その相手を見ないときの理由を。
(照れて…いるんだよね)
そう思うと、胸がくすぐったくて、嬉しくて、きゅぅとなる。
「スコール、やさしいね…」
くすくす笑いながら、ティナはスコールの胸に擦り寄った。一瞬だけスコールの体がびくりと揺れたが、その際もスコールは、決してティナを見ようとはしなかった。
肩に置かれた手の力が、先程より強くなったけれど。
スコールの胸にもたれたまま、ティナは思いついたように言った。
「わたしね、スコールといる時間、安心するの。こころがすごくおちついて、居心地がよくて。だからね、ずっとずっとこの時間が続けばいいなって思うの。神様に何度もお願いしたくなるくらい。これは、好きってことよね?」
顔を上げてスコールを見ると。
スコールは、無表情のまま固まっていた。まばたきひとつせず、身を硬くしている。
おや?と思う。違ったのだろうか。
「違った……?」
スコールは、じろり、と今まで無い位怖い目つきでティナを見た。そして、うなだれるように下を向き、空いている片方の手で口元を押さえた。その頬は見たことがない位赤く染まっている。
「スコール……?」
見たことが無いスコールの表情に、ティナは驚いた。顔も赤いし、ひょっとしたら、熱があるのかもしれない?
「どうしたのスコール?ひょっとして、この雨のせいで風邪をひいてしまった!?」
慌てて体をゆさぶるが、スコールは深く嘆息しただけだった。
「そんなんじゃないから……頼むから黙っていてくれ……」
そう言って、ティナを両手でしっかりと抱きしめた。
ちょうどスコールの胸にティナの耳があたり、スコールの鼓動が聞こえる。
スコールの心臓が大きくトクントクン言っていて、心地よかった。
ふたたび静寂が辺りを支配するが、やはり嫌ではない。良いと思う。とても好きだと。
ティナはスコールの心臓の音を聞きながら、ひかえめにおずおずと言った。
「スコール……、わたし、やっぱり、あなたと二人でいるの、好きだと思うの。だってこんなに気持ちがいいんだもの。やさしくなれるんだもの。これが好きだという気持ちじゃないなら、雨が好きだという気持ちもちがうと思うの。だって、雨よりもこの空気のほうがすごく良くて」
「わかったから……!」
口のなかでもごもご言っていると、スコールが突然大きな声を上げた。驚いて見上げると、先程と同じように真っ赤な顔をしたスコールがいる。
そしてうらめしそうに何度もティナを見た後。
「俺も……同じように好きだ」
苦々しく、思いつめたように呟いた。顔を先程よりも赤く染めて。
それにティナは花がほころぶように、鮮やかに微笑んだ。
胸いっぱいに、満たされる、喜び。
好きなものを、同じ理由で好きだと、こんなにも嬉しいのだ。
だとしたら、もっともっと、好きを、増やしていきたい。
ティナは嬉しくなって、今度は自分からスコールにしっかりと抱きついた。





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