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Beautiful crime

当ブログは個人が運営するディシディアFFやCCFFを中心とした二次創作サイトになります。それらに嫌悪を覚える方の閲覧はご遠慮願います。荒らし、中傷、無断転載は禁止となりますので、よろしくお願い致します。

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あやつりの輪【7×6】ティナ祭り⑧

こんばんは。

ティナ祭り第1弾、【ティナで10題】

お題はdevil+angel様からお借り致しました。

本日は6/7なので、クラティナの日です。

そして、少し悩んだのですが、一応R-12指定をつけさせて頂きます。

そういう描写は一切ないのですが、一応前後にそれを匂わせるものがあるので。

というわけで、それを踏まえて、大丈夫な方から続きよりどうぞ~!
―――――――――――――――――――――――






なぜ言葉もなく、わかるのか。視線と視線がふれあうだけで。
そうすることが決められていたかのように。
剣を取り戦うための、守るための手が自分の頬に触れたとき。
なぜ、目を閉じるものだと、知っていたのだろう。





あやつりの輪
The instinct requests you.





目がさめたとき、あたたかな体温を感じてティナは驚いた。
背中から抱き込まれるように、守るように、やさしく大きな力で包みこんでくれるこの熱は、なんだろう。
眠りから覚めたばかりで、あまり働かない思考。さまようように揺れていた視界に、たくましい腕が入り込んできた。
自分を抱き包んでくれているもの。これはクラウドの腕、素肌だ。
そう思ったとき、昨夜この部屋の中で行われた甘やかで親密な、熱を浮かすような行為が突然ひらめき思い出され、頬が熱くなる。
ティナは恥ずかしさのあまり思わず「ぴぎゃっ…!」と発したことのない奇声をあげてしまった。
自分の声に驚き、慌ててあたりの様子をうかがう。
まだ、安らかな闇が支配する眠りの刻。部屋も夜の帳がおろされたまま、夜明けまでまだ時間があることを示していた。
おずおずとクラウドの様子を伺うと、まだ深い眠りに入り込んでいるようで、耳に小さな寝息が聞こえる。
クラウドを起こさなかったことに安堵して、ティナはゆっくりと息を吐いた。
夢から覚めたとき、自分以外のぬくもりを感じたことは、数少ないけれど確かにある。
自分の世界で、たくさんの子供たちと触れ合った頃。
夜眠れないと嘆く子と一つの布団にくるまりあって寝た時に。
腕の中にある小さな温もりに、優しい気持ちをもらったことを覚えている。
けれど、いま。
こんなふうに、抱きしめられ目を覚ましたことなんて一度も無かった。
あたたかいけれど、あの時の柔らかなぬくもりとは違って、とけるような熱に近い。
触れ合う素肌の感覚は熱くて、熱にうかされるようになる。
ティナはクラウドを起こさないように注意をしながら、ゆっくりと身体を反転させ、クラウドと向かい合った。
夜の闇に目が慣れたのか、はっきりとクラウドの顔が見えた。
静かな寝顔。
普段、どこか眉間に皺をよせがちで怖い表情も今は形を潜め、安らかな表情だった。
それがなぜだか嬉しくて、ティナの口元に笑みが浮かぶ。
綺麗な寝顔だと思った。
顔だけ見ていると、普段大きな刀を振り回している姿が嘘のようにも思える。
クラウドは女性のように(といったらだいぶ語弊があるのだが)華奢に見えるのに、実はしっかりとした筋肉がついている。胸板だって厚くて、意外にがっしりしている。
普段、やさしく接してくれているのでつい忘れがちになるのだが、突然抗えない程の力の強さを感じたり、目の当たりにした時、驚かされる。
(昨夜だって―――――…)
そう昨日の夜の事が思い出され、ティナの頬にふたたび熱が集まる。
妙にそわそわしはじめ、落ち着かない。
何故、あんなことになったのか。正直ティナは覚えていない。
気づいたら、大きな力でひきよせられ、クラウドの腕の中にいた。
(そういえば―――――)
ふと、思い出す。クラウドの腕の中からはじまったあの甘い時。
クラウドの手が自分の頬に触れたとき、クラウドの夜空よりも深い瞳に、吸い込まれそうな感覚におちいったとき。自然とティナは瞼を閉じていた。なぜだか、そうすることが自然な気がして。
次の瞬間には、クラウドの唇が自分のそれに触れていた。闇を照らす月のように。
(どうして…私は…)
知っていたのだろう。そう、するのだと。
その後のことだって、知らないし、わからなかった。わからないけれど、身体が勝手に動いていた。
なぜ、頭が知らないことを身体が知っているのか。
(これに似た感覚を…私は知っているわ)
ティナの顔に、思わず翳りがおちる。
あやつりの輪。かつて、自分が身につけられていた装具。
意識が戻るころには、たくさんの命を奪っていた。自分の意思とはかけ離れていたところで、身体勝手に奪い、殺戮を犯していた。
昨夜も、あの時と同じように、自分の意識と違うところで体が勝手に動いていた。
違うことといえばは。
(ぜんぶ、おぼえてる…)
そう、ふわふわとした熱にうかされるような朦朧とした意識の中、何が起こったのかぜんぶ覚えている。しっかりと。
その時は大きな波にさらわれるように、意味のわからないことを口走っていたけれど、今思い返せばきちんとおぼえている。
うわごとの様な、意味のない言葉たちばかりであったけれど。
それでもすごく恥ずかしい気がして、ティナの顔中に熱が集まった。
くすり、と小さな吐息が空気を振るわせた。
驚いて顔を上げれば、青い瞳をしっかりと開いたクラウドがいた。
心なしか意地の悪い笑みを、淡く添えて。
「百面相……」
そう囁くようにつぶやいて、ティナの頬に指を添える。
「いつから…起きていたの?」
「ティナが目をさました時から。」
それは驚きだ。様子をうかがったのに、そんな素振りは全く見えなかった。
「どうして言ってくれなかったの?」
「色々考えてじたばたするのが可愛くて、見てた」
「………。」
さらりとクラウドは言った。
他の人に言われると単純に嬉しいのに、クラウドが「可愛い」といってくれると嬉しいと同時に胸の奥がきゅっとしぼられ苦しくなる。
言葉が出なくて、ティナはうつむいた。
「何を考えていたんだ?」
クラウドにうながされ、ティナは疑問に思っていたことを素直に口にした。
本当にわからなかったから、単純にどういうことなのか、知りたかった。
するとクラウドは嬉しそうに笑った。
「それは……多分、本能だ。」
「ほんのう……?」
耳慣れない言葉を聞き、口の中でくりかえす。
それは、どんなものなのだろう。
その疑問が顔に出ていたのか、クラウドはまた笑って色々なものがあるんだけど……、と何事かを言っていた。そうして
「魂が知っていたんだ……きっと」
少し頬を赤くして、照れたように言った。
魂、と言われティナは困った。ティナはそういったものが、よくわからない。
けれど前に、心のかたちと誰かに教わったことがある。
そうなのだろうか。自分の心のそれが、クラウドとそうなることを知っていたのだろうか。
でも、それは、確かに自分のこころが望んだことなのだ。そう、信じたい。
そのとき、胸の奥に何かが生まれた気がした。今までひっそりとその時を待っていたつぼみが、日の光を見つけていっせいに咲くような。
あるいは、胸の奥で小さく灯っていた火が、ゆっくりと燃えあがるような。
この不思議な感覚は、なんだろう。疑問を口にするより先に。
「クラウド……好き……」
こぼれた言葉に驚いた。
一度も、発したことのないことば。意味がわからなかった、思いのかたちのそれ。
知らなかった。けれど、知っていた。
クラウドと接するようになってから生まれていた。ただ、なんていえばよいのかわからなかっただけで。
クラウドは、青い瞳を何度か瞬かせた。
その表情は、子供のように純粋で、透明な驚きにいろどられていて。
次の瞬間、ティナは強くクラウドに抱きしめられた。
「俺も好きだ、ティナ」
クラウドは強く囁いた。ティナの首に額を埋め、なんのかざりもなく。
身体が熱くなった。ティナはクラウドを抱きしめ、同じように首に顔をうずめる。
うれしかった。胸がたくさんのもので満たされ、あふれだしてゆく。
とても甘くて、せつなくて、くるしくて、けれどしあわせで。
クラウドが顔をあげ、ティナを見つめた。
吐息がからまる。どちらからともなく瞼を閉じ、唇がかさなった。
ふたたび甘い夜がはじまる。
クラウドが自分をあたたかい熱で包み込んでくれたように、次は自分が包み込んであげたい。
それを、わたしじゃないわたしが知っているとよいなと思いながら、ティナはクラウドに身をまかせ、瞼を閉じた。











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